漆器ではなく食器としての思考改革を

漆器といわれますと一般の方の認識としては

〝木製で作られた器に漆塗を施して作られた物〟という認識ではないでしょうか。

正解です!

でも、生活スタイルや消費者ニーズの変化に伴い、

現在ではいろいろな素材にいろいろな塗りを施して製作されたものが、

総称として〝漆器〟の名称にて市場に流通しているのが現状です。

 

素地に関しましてを大きく分類致しますと木製品が樹脂製品かという分類

塗りに関しましては大きく分類致しますと漆塗か塗料塗りとなります。

この四分類を組み合わせ製作された器を総称して〝漆器〟となる訳です。

木製に漆塗りも漆器 樹脂に塗料塗りも漆器 となる訳です。

 

厳密に定義するならば漆器と総称する事は適切ではないものと考えられますが、

漆器の産地において時代の変化・消費者ニーズの変化に対応すべく漆器が変化してきた・・・

そういう経緯から総称して〝漆器〟と称されているものと考えられます。

 

〝漆器は取り扱いが大変だから・・・〟

〝漆器は高価いものだから・・・〟

〝洗浄機や電子レンジに使えないから・・・〟

そんなイメージの払拭や耐久性の向上要求に応える為に、

産地としても試行錯誤の末にたどりついたのが樹脂製の漆器だと思います。

 

木製の漆塗の本来の漆器は、中国からの輸入品にも市場シェアを大きく奪われ、

ますますニーズとしてのシェアは縮小していくものと考えられます。

要は〝漆器〟に対する消費者の認識とニーズは大きく変化し、

生活の中の必需品から嗜好品になってしまったという事だと思います。

 

マグカップ一つでコーヒーも味噌汁も飲む時代・・・

漆器の産地の生き残りは、そこで生きる私達に大きな変化を求めているのだと感じます。

漆器ではなく食器としての思考改革を。

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