長年培ってきた伝統的な技法や技術。
それはこの業界に従事してきた職人さん達の英知の結晶であり
凄く価値のある尊いものだと思います。
でも、それは誰が引き受けて後世に伝えていくものなのでしょうか?
親から子へ継承するものなのでしょうか…
師匠から弟子に伝承するものなのでしょうか…
教え伝えるかたちはそれぞれでも大切な事は、
その継承者が生計を立てて仕事に従事できる環境が整っているか否かという事じゃないかと。
ひと昔前であれば職人さん達は仕事に打ち込む事で生計を立てる事ができ、
それとともに技術を磨き高める事が出来たのですが、
今ではどうでしょう…
生計を立てる事もままならず、技術を磨き高める余裕も無いのでは。
現に後継者は皆無と言っていいほど激減し、
志をもって後継した人でも途中から転職してしまう始末…。
そんな状況下で伝統工芸の継承は誰が何の為に行うのか…?
〝武士は食わねど高楊枝〟では継承はできない現実。
これが産地の抱える課題の核心…そぅ、継承の理想と現実なのだと私は思います。