一般の方が漆器と聞き連想されるのは木製で漆を塗った物だと思います。
ただ、日本各地にある漆器の産地のほとんどでは
樹脂製の素地に塗料を塗った物を漆器として販売しているのが現状です。
漆器ではなく食器とした方が良いのではないか・・・
製造している私ですら漆器という表記には少なからず疑問を感じています。
漆器の産地で製造しているものだから・・・
確かに木製で漆を塗った本来の漆器も製造されておりますが、
産地内で占める割合は産地全体の売り上げからすれば少ない。
生活スタイルが変化し、食洗器などの電化製品の普及により、
より耐久性の高い器の開発が課題となった産地において、
現在のカタチに変化していった経緯から、
樹脂製で塗料塗りの商品であっても〝漆器〟と総称している。
伝統工芸としての〝漆器〟と産業としての〝漆器〟は、
これからの産地の将来を考える上で表記方法はもとより、
漆器の位置づけを明確に分けていくべきだと私は考えております。
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