漆器組合新役員にて…始動

今日は越前漆器協同組合の販売部総会

事実上、組合の理事7名の承認と新体制での発足!

どこの業界も組織も厳しい環境下の中で、

如何に伝統と文化を守り継承していくか…

そして新しい事業や取り組みで、

組織及び会員の存続をさせていくのか…

大切な2年の任期になるものと。

 

こうすれば大丈夫!なんて答えは一つもありません。

まして、そんな簡単に見つかるものでもありません。

ただ、一つ言えることは…〝やらなきゃ始まらない!〟ってことです。

 

産地を形成する会社は、

それぞれ規模や財務内容そして取り扱っている商品・商材も異なります。

伝統的な漆器、樹脂製の合成漆器、それぞのメリットデメリットそして課題も異なります。

そんな環境の改善は組合会員一人一人の意識と取り組みの改革が

大きな鍵となるものと…

とりわけその旗振り役となる新理事には

大きく期待されるところです。

 

明日から何かが変わるものではありません。

もしかしたら一年経っても変わってないかもしれません。

でも、会員一人一人は生き残りをかけて変わらなければ…

一組合会員として、総会を節目に心新たに決意した次第です。

 

伝統工芸技術の継承って…

長年培ってきた伝統的な技法や技術。

それはこの業界に従事してきた職人さん達の英知の結晶であり

凄く価値のある尊いものだと思います。

でも、それは誰が引き受けて後世に伝えていくものなのでしょうか?

親から子へ継承するものなのでしょうか…

師匠から弟子に伝承するものなのでしょうか…

教え伝えるかたちはそれぞれでも大切な事は、

その継承者が生計を立てて仕事に従事できる環境が整っているか否かという事じゃないかと。

ひと昔前であれば職人さん達は仕事に打ち込む事で生計を立てる事ができ、

それとともに技術を磨き高める事が出来たのですが、

今ではどうでしょう…

生計を立てる事もままならず、技術を磨き高める余裕も無いのでは。

現に後継者は皆無と言っていいほど激減し、

志をもって後継した人でも途中から転職してしまう始末…。

そんな状況下で伝統工芸の継承は誰が何の為に行うのか…?

〝武士は食わねど高楊枝〟では継承はできない現実。

これが産地の抱える課題の核心…そぅ、継承の理想と現実なのだと私は思います。

伝統工芸のAI化

世の中の少子高齢化に伴いAI化や機械化が加速度的にすすむ昨今。

伝統工芸という分野も後継者不足や後継者育成の環境整備が遅れ、

モノづくりの技術継承者の減少が顕著となっております。

人から人へと伝え育てる・・・

伝統工芸や文化の継承の観点からすれば理想だとは思うのですが、

現実問題課題山積というのが現状です。

私的には〝技術をAI化して機械的・データー的に継承する〟事を

考えるべきではないかと考えております。

〝それでは継承したことにならない・・・〟を否定されるかもしれませんが、

技術のノウハウや経験値をデーターベース化する事で、

より職人としての育成が合理的になされるのではないかと・・・

 

〝師従して技術を学び習得する〟

そこには人としての行儀や思考も教わるという事も確かにあると思います。

ただ、弟子として雇い養い育てるだけの

環境や金銭的余裕や仕事の量がないという現実も直視しなければなりません。

世の中が大きく変わる中で、

伝統工芸にこれから十字しようとする人達の育成方法も

大きく変える必要があるものと私は考えます。

漆器ではなく食器としての思考改革を

漆器といわれますと一般の方の認識としては

〝木製で作られた器に漆塗を施して作られた物〟という認識ではないでしょうか。

正解です!

でも、生活スタイルや消費者ニーズの変化に伴い、

現在ではいろいろな素材にいろいろな塗りを施して製作されたものが、

総称として〝漆器〟の名称にて市場に流通しているのが現状です。

 

素地に関しましてを大きく分類致しますと木製品が樹脂製品かという分類

塗りに関しましては大きく分類致しますと漆塗か塗料塗りとなります。

この四分類を組み合わせ製作された器を総称して〝漆器〟となる訳です。

木製に漆塗りも漆器 樹脂に塗料塗りも漆器 となる訳です。

 

厳密に定義するならば漆器と総称する事は適切ではないものと考えられますが、

漆器の産地において時代の変化・消費者ニーズの変化に対応すべく漆器が変化してきた・・・

そういう経緯から総称して〝漆器〟と称されているものと考えられます。

 

〝漆器は取り扱いが大変だから・・・〟

〝漆器は高価いものだから・・・〟

〝洗浄機や電子レンジに使えないから・・・〟

そんなイメージの払拭や耐久性の向上要求に応える為に、

産地としても試行錯誤の末にたどりついたのが樹脂製の漆器だと思います。

 

木製の漆塗の本来の漆器は、中国からの輸入品にも市場シェアを大きく奪われ、

ますますニーズとしてのシェアは縮小していくものと考えられます。

要は〝漆器〟に対する消費者の認識とニーズは大きく変化し、

生活の中の必需品から嗜好品になってしまったという事だと思います。

 

マグカップ一つでコーヒーも味噌汁も飲む時代・・・

漆器の産地の生き残りは、そこで生きる私達に大きな変化を求めているのだと感じます。

漆器ではなく食器としての思考改革を。

課題に正面から向き合い真剣に取り組む姿勢こそが一番の答えだと私自身は思っております。

先日〝京都中小企業家同友会 丹後支部〟様をお招き致しまして

お話をさせて頂きました〝斜陽産業の生き残りについて〟

総勢23名で2時間侃侃諤諤熱く語りあいました。

どの業界もどの産業でも抱える悩み、調工面している課題はかなり共通する事も多く、

難しいテーマではありましたが皆さん持論を熱く語っておられました。

正直、導き出された答えに正解も間違いもありません。

ただ、課題に正面から向き合い真剣に取り組む姿勢こそが一番の答えだと私自身は思っております。

勉強の後は場所を変えてみんなで親睦会

私は久しぶりの再開に会話も弾みいろいろと学ばせていただきました。

物が作れてこその産地

物作りの地域・エリアだからこその産地

でも、今その産地が直面している

職人さんの高齢化、後継者不足、技術の継承問題…

 

〝そんな事は20年も前から分かっていた…〟

何もしなかった訳ではありませんが、

加速度的に進行そして深刻化する問題に

今度どう対処し対応しそして改善していくのか…。

解決なんては到底無理な課題としても目を逸らしてはいられない。

 

〝産地としての原点〟

 

もう一度物を作るという本来あるべき地域・エリアにしなくては…

それこそが産地と言われる地域・エリアの活性化につながるものと

私は信じております。

漆器表記の現状

一般の方が漆器と聞き連想されるのは木製で漆を塗った物だと思います。

ただ、日本各地にある漆器の産地のほとんどでは

樹脂製の素地に塗料を塗った物を漆器として販売しているのが現状です。

漆器ではなく食器とした方が良いのではないか・・・

製造している私ですら漆器という表記には少なからず疑問を感じています。

 

漆器の産地で製造しているものだから・・・

確かに木製で漆を塗った本来の漆器も製造されておりますが、

産地内で占める割合は産地全体の売り上げからすれば少ない。

生活スタイルが変化し、食洗器などの電化製品の普及により、

より耐久性の高い器の開発が課題となった産地において、

現在のカタチに変化していった経緯から、

樹脂製で塗料塗りの商品であっても〝漆器〟と総称している。

 

伝統工芸としての〝漆器〟と産業としての〝漆器〟は、

これからの産地の将来を考える上で表記方法はもとより、

漆器の位置づけを明確に分けていくべきだと私は考えております。


最後までお読み頂きありがとうございます。

産地活性と地域活性はべつもの

私たちの住んでいる地域は古くから伝統工芸の漆器を生産しております。

木地師・塗師・蒔絵師など・・・多くの職人さんが漆器のお仕事に従事され、

地域全体が漆器の仕事に携わり生計をたてている・・・そんな地域でした。

時代の流れと生活スタイルの変化に伴い漆器の需要は急速に減少し、

産地全体の売上高はピーク時の半分以下という状況です。

そういう状況にともない、販売会社の倒産・廃業、職人さんの転職などなど・・・

漆器従事者は減少し産地の人口も6,000人から4,000人へと約2,000人の人口減となっております。

 

漆器従事者の平均年齢も高齢化し後継者不足は深刻です。

機械設備も当然のことながら老朽化し設備投資もままならないというのが現状です。

伝統工芸だけに家内制手工業の要素が強く生産する数量にも限界が生じ易い事と、

近年、職人さんの廃業や転職などの要因も重なり、

一時に受注が集中すると直ぐにオーバーフローしてしまうのが現状です。

 

その間、産地活性化や地域活性として様々な取り組みがなされ、

現在もいろいろなイベント等を企画して活性化に取り組んでいますが、

産地の活性化、地域の活性化としての効果はなかなか厳しいものがあります。

当然、こうした取り組みがなければ今よりも加速度的に

衰退していったことも間違いありません。

 

そんな中で私が一つ大きな勘違いをしていたのは・・・

〝漆器産地としての活性化が地域の活性化につながる〟と思っていたことです。

 

冒頭ご説明した通り、

この産地は漆器従事者が多く漆器にかかわるお仕事で生計をたてている方が多い地域。

だから、漆器の活性化・受注増こそ地域の方々の収入の潤いになると私自身は思い

取り組んできたつもりだったのですが、

全体としての考えの中では残念ながら少数意見でしかないのです。

そぅ・・・極端な事を言えば、仕事による活性化の発想は、

一企業の私利私欲にしか受け取られないという事なのです。

 

そこで感じたのは〝産地(漆器)活性と地域活性はべつもの〟ということなのです。

漆器の産地としての河和田地区ということと鯖江市の中の河和田地区という観点の違い・・・

 

そういった観点からの取組を今後は再考してみたいと思います。

 


最後までお読み頂きありがとうございます。

産地の将来について考えてみる・・・

斜陽産業といわれる伝統工芸

漆器に限らず様々な伝統工芸が抱える課題は多く大きい。

そんな産地の中でどのように生き残り勝ち残っていくのか・・・

どの企業も個人も暗中模索の中で必死にもがいている。

 

私個人の考えと会社の取り組みについて

そしてこれからの産地の将来について考えてみたいと思います。

 

答えは一つではないものの、

一つのケースとしての思考・取組・結果としてご参考になればと思います。

ま、私自身ここに書きながら自分の思考を見つめ直し思考を深められれば・・・

そんな思で綴っていきたいと思います。

 

多分、いろいろな産業・産地の中でいろいろな取り組みを試行錯誤され、

取り組まれておられる会社や個人の方も多いはず・・・

そんな方々と侃々諤々・・・できたら良いですよね。

 

コメントにて叱咤激励を頂ければ幸いです。

 

 

関連プログ・・・株式会社 遊器屋 http://yukiya-suehiro.com/blog/