【鯖江市河和田発】修理で未来へ繋ぐ -末広漆器製作所のSDGsな挑戦と金継ぎ技術

【この記事のまとめ(約300文字)】
福井県鯖江市、伝統工芸「越前漆器(河和田塗り)」の産地である河和田地区に根差す末広漆器製作所です。私たちは、SDGsが重視される現代において、「使い捨て」から「修理して長く使う」価値観へのシフトを捉え、漆器修理の技術を深化させてきました。伝統的な木製漆器はもちろん、現代的な樹脂製品の塗り直し、さらには割れたり欠けたりした陶器やガラスを美しく蘇らせる「金継ぎ」修理にも対応。最近では、愛用の木製おひつや鍋の「木蓋」修理のご依頼も増えています。私たちは、漆塗り、木材、樹脂、ガラス、陶器といった多様な素材の修理を通じて、お客様の大切な品物を長く使い続けるお手伝いをしています。思い出の品、壊れてしまったけれど捨てられないものがあれば、ぜひ末広漆器製作所にご相談ください。


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はじめに:伝統工芸の里・河和田から発信する「修理」という選択肢


こんにちは!福井県鯖江市河和田地区にある末広漆器製作所です。私たちの工房がある河和田は、1500年以上の歴史を持つと言われる越前漆器(えちぜんしっき)、またの名を「河和田塗り(かわだぬり)」の伝統が息づく場所です。漆器と聞くと、ハレの日の特別な器、あるいは少し敷居の高いもの、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし近年、私たちの暮らしや価値観は大きく変化しています。特にSDGs(持続可能な開発目標)が世界共通の目標として掲げられるようになり、「大量生産・大量消費・大量廃棄」のサイクルを見直し、モノを大切に、長く使い続けることへの関心が高まっています。
私たち末広漆器製作所も、この時代の流れを強く意識しています。もちろん、新しい漆器を作り出すこと、伝統の技を継承していくことは非常に重要です。しかし同時に、これまで作られてきたもの、人々の暮らしの中で愛用されてきたものを、「修理」という形で未来へ繋いでいくことにも大きな価値があると考えています。単に漆器を作るだけでなく、お客様が大切にされている品物を、私たちの技術で蘇らせ、再び輝きを取り戻すお手伝いをすること。それが、現代における漆器産地の新たな役割の一つではないでしょうか。

なぜ今、「修理」なのか? – SDGs時代のものづくりと末広漆器の想い


SDGsの17の目標の中でも、特に目標12「つくる責任 つかう責任」は、私たちの事業と深く関わっています。モノが簡単に手に入り、壊れたらすぐに買い替えることが当たり前だった時代は終わりを告げようとしています。環境への負荷を減らし、限りある資源を有効活用するためには、私たち作り手も、そして使い手である皆様も、意識を変えていく必要があります。
末広漆器製作所では、この「つくる責任」と「つかう責任」を重んじ、単に新しい製品を生み出すだけでなく、「作ったものを、できる限り長く使っていただく」ための取り組みとして、修理技術の向上に力を入れてきました。
もともと漆器は、適切に手入れをすれば何十年、場合によっては百年以上も使い続けることができる、非常にサステナブルな工芸品です。表面の漆が剥げてきたり、木地に傷がついたりしても、塗り直し木地の補修を行うことで、新品同様、あるいはそれ以上の風合いを持って蘇らせることが可能です。
私たちは、この漆器本来の「修理して使い続ける」文化を、現代に合わせて進化させる必要があると考えました。


伝統から革新へ:末広漆器製作所の多様な修理技術


私たちの修理は、伝統的な木製の漆器だけにとどまりません。時代のニーズに応えるべく、技術の幅を広げてきました。

  • 木製漆器の修理: これは私たちの原点とも言える技術です。お椀、お重、お盆など、長年使われてきた漆器の塗り直しはもちろん、欠けや割れの補修、歪みの修正など、木地(素地)の状態から丁寧に修復します。思い出の詰まった漆器、先代から受け継いだ大切な品などを、再び日常で使えるように蘇らせます。
  • 樹脂製塗料製品の修理: 近年、業務用や家庭用として広く使われている、プラスチックなどの樹脂素材にウレタン塗装などが施された製品。これらも、傷がついたり塗装が剥げたりすることがあります。「樹脂製だから修理は無理だろう」と諦めていませんか?末広漆器製作所では、長年培ってきた塗装技術を応用し、樹脂製品の修理や塗り直しにも対応しています。業務用食器のメンテナンスコスト削減などにも貢献できます。
  • 陶器・ガラスの金継ぎ修理: 漆器の修理技術を応用し、割れたり欠けたりした陶器ガラスの修理も行っています。これは「金継ぎ(きんつぎ)」と呼ばれる日本の伝統的な修復技法です。割れた破片を漆で接着し、その継ぎ目を金や銀などの金属粉で装飾します。単に元通りにするだけでなく、割れた痕跡を「景色」として新たな価値を与える、美しく哲学的な修理方法です。お気に入りのカップ、思い出の皿など、壊れてしまったけれど捨てられない、そんな大切な品物に新たな命を吹き込みます。
  • 木蓋(きぶた)の修理: 最近特にご依頼が増えているのが、おひつや羽釜、お鍋などに使われる木製の蓋(木蓋)の修理です。長年の使用による歪み、割れ、黒ずみ、カビなど、様々なお悩みに対応します。木材の種類や状態に合わせて最適な修理方法をご提案し、大切な調理道具を長く快適にお使いいただけるようサポートします。

このように、末広漆器製作所では、漆、木材、樹脂、塗料、そして陶器やガラスに至るまで、多岐にわたる素材の知識と修理技術を蓄積してきました。これは、伝統的な漆器製造の技術をベースにしながらも、常に新しいニーズにアンテナを張り、挑戦を続けてきた結果です。


お客様の声に応え、未来へ繋ぐ


私たちは、特定の分野に特化するだけでなく、様々な業界や個人のお客様からの多様な「困った」「直したい」という声に、できる限り応えていきたいと考えています。

  • 「こんなものは修理できるだろうか?」
  • 「費用はどれくらいかかるのだろう?」
  • 「どのくらいの期間で直るのだろう?」


どんな些細なことでも構いません。お手元にある「直したいもの」について、まずはお気軽にご相談ください。状態を確認させていただき、最適な修理方法と見積もりをご提案させていただきます。
私たちは、修理を通じてモノを大切にする心を育み、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと願っています。福井県鯖江市河和田の地から、伝統技術と革新的な取り組みで、皆様の大切な品物を未来へと繋ぐお手伝いができれば幸いです。
修理に関するお問い合わせは、ウェブサイトのお問い合わせページ、またはお電話にてお気軽にどうぞ。
末広漆器製作所は、これからも皆様の「長く使いたい」という想いに寄り添い続けます。

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