産業としての育成

伝統産業と言われる仕事の衰退は加速度的に高まっています。

何も対策をしていないから・・・という事だけではなく、

とりまく環境の変化が更なる加速させているって感じでしょうか。

産地・産業の衰退と大きくとらえても、

産地内においては成長・発展している企業がございます。

ですので、同じ産地においても考え方や危機感は様々・・・。

 

職人さんの高齢化・若い人の後継者育成・継承不足・需要の減少・・・などなど、

何十年も前から言われ続けている課題の上に、

環境変化要因として、

原材料の値上がり・就業環境の変化と規制・産地内業界内の連帯感の希薄化・・・などなど、

課題や問題への取組は、産地としての取り組みから一企業レベルへと移行し、

課題解決改善への取組は待ったなしの状態に・・・。

すなわち、解決改善できない企業は存続できない・存続しづらいという事です。

 

売り上げ減少からの倒産・廃業でなく、

就業環境変化に対応できない企業は人員確保もままならず、

安易な家族だけでの経営にならざるおえない。

それは病気や事故といったイレギュラー的アクシデントに見舞われると

代わりとなる人員がいない為に

直ぐに倒産・廃業に直結している事を意味している・・・。

 

伝統や文化は長い歴史的価値からすれば

大切にし受け継いでいかなければなりません。

ただ、伝統や文化を受け継いでいく事だけでは生きてはいけません。

伝統や文化を否定や壊すという事ではなく、

私たちのおかれている伝統産業は

伝統の文字を外し産業というスタンスから

今後のビジョンを考えるべきと私は考えています。

 

漆器やだけど漆器を作っていない・・・

漆器の産地だけど漆塗じゃなく化学塗料・・・

漆器の産地だけど木製じゃなくプラスチック樹脂・・・

そぅ、物が作れるという見地からの産地・産業育成が大切なものと。

それは漆器にこだわる事を捨てる事から始まるものと。

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